株式会社ノイズ研究所

製品情報 インパルスノイズ試験器を使ったノイズ耐性評価

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上流工程でノイズ耐性評価の重要性が高まる背景

EMC試験は信頼性試験の一つとして実施され、多くの場合は製品レベルで行われることが一般的です。量産品と同等のレベルで設計変更が難しい段階で問題が発生した場合、改善のための対策、時間、コストなど様々な要素を考慮する必要があります。EMC試験で発生する問題を未然に防ぐためには、製品レベルでのEMC試験の前、設計の上流工程で「EMCの問題に気づくこと」が重要です。本アプリケーションノートでは、インパルスノイズ試験器を使ったノイズ耐性評価についてご紹介します。

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インパルスノイズ試験器を使ったノイズ耐性評価

ノイズ耐性評価には、国際規格や業界基準で規定された限度値をクリアすることで社会の安全性を確保する目的と、市場で発生した不具合現象を確認・再現して製品の品質を向上させる目的があります。インパルスノイズ試験は、電源系にインパルスノイズを注入して製品のノイズ耐性を確認することが基本となりますが、回路基板や信号線に対しても、目的に応じた印加方法でノイズ耐性評価を行うことができます。インパルスノイズ試験器をノイズ発生器として使用し、ラディエーションプローブを使って回路基板への近傍磁界による誤動作箇所を特定したり、カップリング装置を信号ケーブルにクランプしてノイズを印加することでケーブルに誘導されて重畳されたノイズに対する耐性評価など、様々なノイズ耐性評価を手軽に確認することができます。

インパルスノイズ試験器を使ったノイズ耐性評価 製品イメージ画像
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ラディエーションプローブによる評価

ラディエーションプローブによる評価は、製品の筐体・信号線・電源線に電磁界を与える放射系ノイズ評価で、IEC61000-4-3の様な遠方界の電磁界ではなく、製品やプリント基板に対して極近傍での印加を行い、ノイズに弱い部分を特定する目的と近傍印加による強磁界を与える目的があります。ラディエーションプローブは当初、直径5cmのサイズだけでしたが、今では直径30cmまでのものをリリースしており、製品サイズなどを考慮し評価を行うことができます。

知って欲しい ラディエーションプローブの特徴

ラディエーションプローブから発生する電磁界は、プローブの場所やループ径などにより、筐体・信号線・電源線へ与える強さが異なってきます。

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ノイズ印加プローブによる評価

ノイズ印加プローブによる評価は、プリント基板のパターンや部品にインパルスノイズを直接注入するノイズ評価で、基板レベルでノイズの弱い部分を特定をする目的があります。ノイズ印加プローブ先端に装着されている放電チップをノイズを直接注入したい部分に接触させ、最大500Vまでのインパルスノイズを注入し評価を行うことができます。

知って欲しい ノイズ印加プローブの特徴

プローブ本体に結合コンデンサを装着して使用します。基本的に、結合コンデンサの容量が大きいほどノイズを効果的に印加できます。しかし、容量が大きいとインピーダンスが小なくなり、回路動作に影響を与える可能性があります。そのため、回路動作に影響しない範囲で最大の容量を選定することが重要です。ノイズを印加する前に、印加プローブを接触させて基板が正常に機能することを確認するために、複数の結合コンデンサを用意しておくことをお勧めします。

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カップリング装置による評価

カップリング装置による評価は、信号線にインパルスノイズを誘起させるノイズ評価で、カップリング装置を信号線にクランプすることでインパルスノイズを信号線に与える目的があります。カップリング装置には結合方式により容量性(電界)結合と誘導性(磁界)結合の2種類があり、目的に応じた評価を行うことができます。

知って欲しい カップリング装置の特徴

容量性結合と誘導性結合はどちらもクロストークと呼ばれる現象の一種で、信号が隣接する回路や伝送線に干渉する現象です。違いは、次のような点があります。

【容量性結合】:2つの近接する導体に電位差がある場合、その間に生じる容量を介してエネルギーが伝達される現象です。

【誘導性結合】:並行する信号線に電圧を加えると、隣接する導体ラインに電圧が誘起される現象です。

容量性結合のカップリング装置はインピーダンスの高い信号ラインに対して有効で、誘導性結合のカップリング装置は磁界結合により信号ラインのインピーダンスにあまり影響されない評価が期待出来ます。

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