株式会社ノイズ研究所

製品情報 インパルスノイズ試験器の始業前点検

NoiseKen

 スイッチングデバイスの接点、電子モーターから発生するアーク放電などによる立ち上がりの早い高周波ノイズを模擬的に発生し、電子機器の耐性を評価する試験器です。
ここでは、当社での測定例を中心に、始業前の簡易チェック方法を記載します。

【準備するもの】

製 品 名MODEL名備   考
インパルスノイズ試験器INS-S0、INS-4020、INS-4040、INS-AX2シリーズ
オシロスコープ帯域500MHz以上
波形観測用アッテネータ00-00017A
同軸ケーブルアッテネータ-試験器間
20dB アッテネータ高電圧測定時

注意:使用するオシロスコープの帯域によっても測定値(波高値・時間)が異なります。

【接続の方法】

 測定の接続は、下記のようになります。

■Pulse Outからの測定(00-00017Aを使用した場合)

① 波形観測用アッテネータ00-00017Aに添付している同軸ケーブル(HN(P)-NMHV(P))で、本試験器のPULSE OUTと00-00017Aの入力コネクタを接続します。00-00017Aの出力コネクタと添付している同軸ケーブル(N(P)-BNCP))をオシロスコープの入力に接続しますが、必要に応じてこの間にアッテネータを挿入して下さい。

② 00-00017Aの出力インピーダンスは50Ωなので、オシロスコープの入力は50Ω終端に設定します。

③ 本試験器をSTART します。

《参考》必要に応じてアッテネータを挿入する理由

 試験器のインピーダンスは50Ωです。00-00017Aの負荷抵抗も50Ωとなっているため、設定電圧を4,000 Vに設定した場合は4000×(50Ω/50Ω+50Ω)=2000 Vの出力が確認でき、00-00017Aにより減衰された電圧20 Vがオシロへ入力されます。オシロスコープによっては、50Ω終端で測定する場合に20V入力ができないものが多いため20 dBアッテネータを挿入し、さらに減衰する必要があります。(この場合は、減衰比10:1により20 V→2 V入力となります。)

注意:00-00017Aとインパルス試験器のコネクタは特殊コネクタ(NMHV型)を使用しています。

■CDN Outでの測定

現在のところ、インパルスノイズ試験でのCDN OUTでの波形規定は無いために、明確な点検方法はありません。
実際には、CDN Outより、100:1のプローブを用いてオシロスコープで波高値を確認しています。

インパルスノイズ試験器 始業前点検の方法

インパルスノイズ試験器の始業前点検 製品イメージ画像
インパルスノイズ試験器の始業前点検 製品イメージ画像
出力波形全体
500V/div 400ns/div
インパルスノイズ試験器の始業前点検 製品イメージ画像
立ち上り波形
500V/div 1ns/div
インパルスノイズ試験器の始業前点検 製品イメージ画像

【補足-出力端子で波形を測定する場合-】

出力端子からの重畳波形を確認される場合は、下記の点にご注意ください。

注意1:インパルスノイズ試験器の出力電圧に対応したプローブを使用し、感電に注意ください。

注意2:プローブでの測定は、50Ω系インピーダンスの不整合およびGND、フィルタの影響によりオーバーシュート・振動波形が

    観測される場合があります。また、プローブHOT、GNDの接続方法や配線の引き回しに起因しても起こりえます。

注意3:出力パルスの立ち上がり時間は、使用されるオシロスコープの帯域やプローブの特性により測定値が異なります。

    特性や補正につきましてはオシロスコープの説明書をご確認ください。

《参考》

水銀リレー方式のインパルスノイズ試験器は水銀リレーが消耗部品となり、出力経過に伴い消耗して、性能的にも劣化していきます。

半導体リレー方式のインパルスノイズ試験器は基本的に性能の劣化はありません。

水銀リレーの劣化時の主な症状

・ 波形が出ない。
・ 波形が変動する。
・ 出力電圧が低くなる。
・ 繰返し周期の変動(ジッタ)が大きくなる。
・ リレーの動作音が変化する。
・ リレーの動作音が小さくなる。
・ リレーの動作音がしない。

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