株式会社ノイズ研究所

規格情報 方形波インパルスノイズ試験について

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方形波インパルスノイズ試験は、高周波パルス(高速方形波パルス)によるノイズ試験で、日本を中心に1970年代のEMC黎明期の頃から実施されているノイズ耐性評価試験です。国際規格が制定される前より、メーカ各社が自主的に試験基準を定め、電源系のノイズ耐性の確保のために実施され、カップリングアダプタを使った信号線に対する試験も実施されています。

方形波インパルスノイズ試験について 製品イメージ画像
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1.一般的事項

インパルスノイズ試験はEFT/B試験と比べ、GHz 帯の周波数成分を含んだノイズを発生するため、電源線や信号線に伝導してくるノイズ以外に、静電気放電で発生する高い周波数領域での耐性評価も行うことができます。EFT/B 試験は、電源線のアース系統に対するコモンモード試験のみを実施しますが、インパルスノイズ試験では、コモンモードに加えてライン-ライン間のノーマルモード試験も実施することができ、より広範囲の評価が行えます。

2.試験レベル

電源線、制御信号線及び接地線に適用するインパルスノイズに対する推奨試験レベルを下記に示します。

レベル試験電圧V
電源線制御信号線接地線
1
500250250
21000500500
31500750750
4200010001000
X製造業者と使用者との規定による。

3.発生器の仕様及び波形確認

■試験器の概略仕様

特性性能
出力電圧(インパルスの高さ)各試験器の仕様による ※~2kV、~4kV
極性正または負
立ち上がり時間3ns以下 ※半導体リレー方式時
出力インピーダンス50Ω
終端抵抗50Ω
パルス幅50~1000ns
繰返し周期LINE PHASE / VARIABLE / EXT TRIG / 1 SHOT
重畳モードコモンモード / ノーマルモード
EUT電力容量各試験器の仕様による
高電圧コネクタNMHV ※当社カスタム

■波形の測定方法

波形確認用アッテネータ00-00017Aを使用した波形測定方法です。

方形波インパルスノイズ試験について 製品イメージ画像
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インパルスノイズ試験器 波形

4.試験器のセットアップ

■電源線への試験方法

方形波インパルスノイズ試験について 製品イメージ画像
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■信号線への試験方法

方形波インパルスノイズ試験について 製品イメージ画像
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5.試験手順

■気象条件

試験室の気象条件はEUT及び試験装置の動作に関して、それぞれの製造業者が指定する限度内でなければならない。EUTまたは試験装置に結露が生じるほど相対湿度が高い場合は、試験を行ってはならない。

■試験方法

【電源線】 ※AC電源の場合

ノーマルモード試験

ケーブル長:方形波インパルスノイズ試験器とEITの間のケーブル長は0.5±0.05mとする。ケーブル長が調整出来ない場合は、コイル状にばらないように折りたたみ、絶縁支持台の上に置きます。

方形波インパルスノイズ試験器のSG端子:方形波インパルスノイズ試験器のSG端子は、基準グラウンド面には接続しません。

印加方法:選択した試験電圧及びパルス幅で、L1、L2、L3、N及び保護接地のそれぞれ2線間に対して、それぞれ正極性及び負極性のインパルスノイズを印加します。

単相の場合は、L1、L2および保護接地のそれぞれ2線間に印加します。

印加位相は0°、90°、180°及び270°の4位相または、非同期試験とします。

コモンモード試験

ケーブル長:方形波インパルスノイズ試験器とEITの間のケーブル長は0.5±0.05mとする。ケーブル長が調整出来ない場合は、コイル状にばらないように折りたたみ、絶縁支持台の上に置きます。

方形波インパルスノイズ試験器のSG端子:方形波インパルスノイズ試験器のSG端子は、基準グラウンド面には接続します。

印加方法:選択した試験電圧及びパルス幅で、L1、L2、L3、N及び保護接地のそれぞれ2線間に対して、それぞれ正極性及び負極性のインパルスノイズを印加します。

印加位相は0°、90°、180°及び270°の4位相または、非同期試験とします。

単相の場合は、L1、L2および保護接地と基準グラウンド面の間に印加します。

【制御信号線】

制御信号線を結合クランプの中に入れ、方形波インパルスノイズ試験器のノイズケーブルを結合クランプに接続します。配線の長さや隔離距離などはガイドラインなでを参考に、適切に設定します。接続はされているが、試験をしない装置または補助装置は、適切に減結合するのが望ましい。

【接地線】

通常は保護接地に対するコモンモード試験がこれに当たります。

ノイズに印加時間は、10分間以上とする。

■試験結果の評価と試験報告書

試験結果が、EUTの機能損失または性能低下の観点から、その装置の製造業者、試験の依頼者または製品の製造業者と購入者との間の合意によって指定した性能レベルと比較して分類する。推奨する分類を、下記に示します。

a)製造業者、試験の依頼者または購入者によって指定する仕様限度内の正常な性能。

b)妨害がなくなった後に消滅する一時的な機能損失または性能低下。操作者が介在することなくEUTが正常な性能に自己復帰する。

c)操作者が改造する調整が必要な一時的な機能損失または性能低下。

d)ハードウェアまたはソフトウェアの破壊による修復不可能な機能損失もしくは性能低下またはデータの損失。

EUTへの影響のうち重要でないとみなし、許容できる影響を、製造業者の仕様書に指定してもよい。

6.試験報告書

試験報告書は試験を再現するために必要なすべての情報を含んだ内容とします。

注意:この試験についてはJEM-TR 177 産業用に用いる電気機器の方形波インパルスノイズイミュニティ試験指針を参照し記載しております。詳細な試験方法等につきましては原文を御参照ください。

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